2/23「コモンの風が吹きはじめた!」と題して、わたしが理事をつとめるコモンフォレストジャパン主催で、シンポジウムを開催します。
コモンとは社会的な共有財産のこと。
わたしたちは、あらゆるモノが、私のモノか、そうでなければ誰かのモノという社会に慣れきっています。
でも、自然ほど私的所有に向かないものはありません。だれそれの山林と言っても、山が生み出す水、梢をゆらす風、訪れる野鳥たち、これらを「わたしのモノ」にすることはできません。
木々の枝や根は、人間が決めた土地の境界など完全に無視して越境してゆきます。
この山はうちの会社が買ったから何をしてもいいんだ!と残土を捨てたり、木々を伐採したりすれば、水や土は流れ、越境し災害を起こします。生き物たちも生きてゆけません。
山、森、川、海は、本来誰のものでもなく、わたしたち人間も含めたすべての生き物たちのもの、つまりコモンです。
コモンは、特定の個人に利潤を産み出しませんが、すべての人に豊かな暮らしを与えてくれる財産、社会的な富です。
「公共」というと国や自治体と考えがちですが、国や自治体の実体は、時の政権や役所ではなくわたしたちです。
自然環境だけでなく、道、公園、水道、知識(図書館や学校)、教育、医療…コモンであるはずのモノが、すべて利潤を産み出さねば必要のないものとされてしまう社会は、とても生きづらい。
山は傷つき、河川は汚れ、海は壊れていく今、わたしたちの暮らしや営みも、心も崩壊してしまう!と危機感を持つ人たちが、自然をみんなのものとして、手入れをし、再生していく事例が増えはじめました。
自分たちが大事に使う場所は、自分たちで考え、行動し、管理していく。
行き詰まった社会であることは、わかっちゃいるけれど、どうしたら良いのかわからない。
わたしは、そんな今、新たな選択肢としてコモンへの道があると考えています。
最近、さまざまなメディアで活躍、コモンという新たな道を提示した斎藤幸平さん、環境土木で新たな道を切り開こうと奮闘中の高田博臣さん、素晴らしいゲストによる刺激的なシンポジウムになること、間違いなし!
オンライン、アーカイブもありますが、斎藤幸平さん、高田博臣さん、坂田昌子が揃うことはなかなかないので、ぜひ、会場まで足を運び、熱気を共有していただけると嬉しいです。
拡散、シェアをガンガンお願いしまーす!
・・・・・以下、peatixページより転載・・・・・
コモンフォレストジャパン シンポジウム
「コモンの風が吹きはじめた! ~社会の富をみんなの手に~」
2022年7月、「森は誰のものでもない」という本来の姿を取り戻すために、 みんなの共有財産としての森を共同で購入し、共同で管理・運営し、コモンズとしての新しい所有のモデルを社会に提示するとともに、生物多様性の豊かな森を次世代に残すことを目的として一般社団法人コモンフォレストジャパン(CFJ)を立ち上げました。発案のきっかけとなった『人新世の「資本論」』著者の斎藤幸平氏が趣旨に賛同し、設立時から理事としてCFJに参加しています。
資本主義によって解体されてしまった<コモン>を再建する脱成長コミュニズムこそが、より人間的で潤沢な暮らしを可能にする。3.5%の人が動けば、それは夢ではなく現実となる。
このシンポジウムは、その第一歩です。斎藤幸平さんの基調講演に続き、各出演者からそれぞれ事例の報告、その後パネルディスカッションを行います。
森とか自然にどのように関わるか、コモンとは何なのか、参加者の皆さんと共有したい。コモンに関心があり、何らかの形で活動に関わりたいという人たちに参加して頂きたいと思います。
<日時> 2024年2月23日(祝・金)13:30開場、14:00開始~17:30終了
<会場> 東京大学伊藤謝恩ホール and オンライン(ハイブリッド) (東京都文京区本郷7-3-1)
<参加費> 会場参加 一般 2000円/コモンフォレストジャパン会員 1000円
オンライン参加 一般 1000円/コモンフォレストジャパン会員 500円
(ドネーション付きもあります)
<定員> 会場 400名 / オンライン 500名
<申込締切> 2024年2月20日、または定員になり次第
<出演(敬称略)>
斎藤 幸平:東京大学大学院総合文化研究科准教授、CFJ理事 (基調講演/パネリスト)
高田 宏臣:地球守/環境土木研究所/高田造園設計事務所代表(事例報告/パネリスト)
坂田 昌子:環境NGO虔十の会代表、CFJ理事 (事例報告/パネリスト)
藤井 芳広:NPO法人いとなみ代表、CFJ代表理事 (事例報告/パネリスト)
<モデレーター>
廣水 乃生:友部コモンズ共同代表、CFJ理事
<主催> 一般社団法人コモンフォレストジャパン https://commonforestjapan.my.canva.site/
<出演者紹介(敬称略)>
斎藤幸平(基調講演/パネリスト)
1987年、東京生まれ。東京大学中退、米国ウェズリアン大学卒業後、渡独。ベルリン自由大学哲学科修士課程・フンボルト大学哲学科博士課程修了。専門はマルクス経済学。2018年、マルクス研究における最高の賞「ドイッチャ―記念賞」を日本人初・史上最年少で受賞。2021年、『人新世の「資本論」』で新書大賞を受賞。大阪市立大学准教授を経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授、CFJ理事。
著書に、『人新世の「資本論」』(集英社新書)『大洪水の前に―マルクスと惑星の物質代謝』(角川ソフィア文庫)『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)『未来への大分岐』(編著、集英社新書)など。
高田宏臣(事例報告/パネリスト)
1969年千葉県生まれ。東京農工大学農学部林学科卒業。土中環境の健全化、水と空気の健全な循環の視点から、国内外で環境土木による環境再生に従事。
2007年、高田造園設計事務所設立
2016年~NPO法人地球守代表理事
2022年〜一般社団法人環境土木研究所代表理事
地球守/環境土木研究所/高田造園設計事務所代表
著書:『土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技』『よくわかる土中環境 イラスト&写真でやさしく解説』『新版 これからの雑木の庭』
坂田昌子(事例報告/パネリスト)
明治大学文学部史学科卒業。生物多様性条約や地球サミットなど国際会議にも継続的に参加。ローカルにしっかり足を据えながらグローバルな視点で動く環境活動家。
コモンフォレストジャパン理事
生物多様性ローカルアソシエーション代表
環境NGO虔十の会代表
CEPAジャパン理事
古書げんせん館店長 等々。
藤井芳広(事例報告/パネリスト)
1978年、滋賀県生まれ
2010年、東京から韓国やアジアから近い福岡県糸島市に移住。仲間とともにNPO法人いとなみを結成し、代表を務める。
2014年から糸島市議会議員を2期8年務める。
2020年、「糸島 food forest」を立ち上げ、食べられる森づくりを進めている。
NPO法人いとなみ代表、コモンフォレストジャパン代表理事
廣水 乃生(モデレータ―)
NPO法人友部コモンズ共同代表
ADS株式会社代表取締役
コモンフォレストジャパン理事
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